学校に無理難題を押しつける保護者を「モンスターペアレンツ」と呼ぶが、就活の現場にもそんな親はいる。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏は、「就活モンペア」の実態について紹介する。
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モンスターペアレンツという言葉が広まってから、かなりの時間がたちました。学校で行われることに対して、感情的にかなり細かい部分まで文句を言ってくる親たちです。このモンスターペアレンツはやや都市伝説化している部分もあり、ごくたまに出現するうるさい親、細かい親の言動がひとり歩きして広まっています。
就活にしてもそうで、多くの親は謙虚で勉強熱心です。先日、私もある大学で保護者向けのセミナーをしたのですが、皆さん真面目で、質問も多数出て大盛況でした。そうなんです。大学では今、保護者向けの就活セミナーが盛んに行われています。
どの大学でも人気企画だそうです。夫婦で聞きにくる人、そのためにわざわざ地方から出てくる人などもいます。就活は親にとって、大きな関心事のようで、先日私が講演したセミナーでも、半分は1,2年生の親でした。
みんな熱心で礼儀正しいのですが、それでもいるんですよね、就活モンスターペアレンツが。都内のある大学のキャリアセンター長はこう語ります。
「ウチの子供は、いつになったら内定が出るんですか? と電話してくる親御さんはいますね……。こちらでも未内定者のフォローには力を入れているものの、まずはお子さんに聞いて欲しいなと思うのですが……」
質問や抗議は、別に就活だけではありません。進路全般におよびます。
「資格取得が可能な学科、コースがあるのですが、“資格をとったところで、実家の近所には関連する求人がない。どうしてくれるんだ?”と凄まれたことがあります。お気持ちはわかりますが、そう言われても……。大学に入学する前に調べておいて欲しいですよね……」
絶対数では少ないものの、やはり就活モンスターペアレンツはいるものですね。まあ、大学も就職実績は大きなウリになるので、募集広報の段階でそれをかなり全面に打ち出しているんですよね。
電車などで大学の募集広告を見てみてください。就職実績を売りにした大学がいっぱいです。期待が高まっているというわけですが。
親バカは可愛いですけど、バカ親は最低ですよね。自分の親がバカ親化、就活モンスターペアレンツ化しないように、就活生は親をうまくコントロールしたいところです。悩ましいところですけど。