携帯電話で株式やFXの取引ができるようになって以降、仕事の合間を縫って取引をするサラリーマントレーダーが急増した。しかし、株式市場の低迷が長引いていることに加え、FXのレバレッジ引き下げなどの影響で、短時間でのトレードによって利益を上げることが難しくなった。その結果、サラリーマントレーダーは減少傾向にあった。
だが、2010年から登場した新しい金融商品である「バイナリーオプション」によって、再び“サラリーマントレーダー”が増加傾向にあるという。
バイナリーオプションは、FXと同じように、円やドルなどの外貨を投資対象とするが、大きく違う点は、取引期間があらかじめ決められていることだ。取引期間は販売する会社によって変わり、短ければ取引開始から10数分、長ければ1週間程度。サラリーマントレーダーに人気があるのは、10数分で取引が終了するタイプである。中でもGMOクリック証券が提供する『外為オプション』は、100円から投資ができるため、ユーザーを集めているもよう。
「外為オプションは、10分後の為替相場が、取引した時点よりも「円高」か「円安」のどちらかを予想するだけなんです。予想が当たれば投資金額が2倍になり、外れれば投資金額分が損失額となる。トレードの仕組みが分かりやすく、短時間で終了するので、サラリーマン向きだと思います」と語るのは、外為オプションでサラリーマントレーダー・デビューをした、A氏(30歳)。
Aさんは、通勤時間やランチタイムのわずかな空き時間に、iPhoneでトレードをしているという。そのトレードの成績はいかに?
「始めた当初は、それまでFXもやったことがなく、為替相場の知識もほとんどなかったため、勝ったり負けたりを繰り返していました。ただ、最近は少し勝率がアップしてきています。為替相場は、円高傾向になったり、円安傾向になったりと、一定のトレンドがあるんですね。トレード時のトレンドを見極めて、そのトレンドに乗ってトレードをするようと勝率が上がることがだんだんわかってきました。トレンドの見極めには、為替のチャートをチェックする必要があり、いまはどのチャートがいちばんイイのかを研究しているところです」
どうやら攻略法がありそうだ。
「僕の場合は、1日に1回から2回程度トレードしています。当初は500円程度のワンコインでやっていましたが、トレンドを見ながらトレードするようになってから、イケそうだなと感じた時は5000円で注文を出したりします。100円からできるところも、外為オプションの魅力でしょう」とAさん。
自信がないときは、トレードをしないことが勝率のアップにつながるという。ただし、トレードをしていないときでも、「とりあえず予想だけはしておき、結果を見て、自分の予想が当たったのか外れたのかをチェックしておく。そうすれば、次のトレードの参考になります。ケータイゲームよりも、ハマッてますね(笑い)」(Aさん)という。