北海道土産として人気の菓子『白い恋人』を製造・販売する石屋製菓(札幌市)が、大阪を中心に販売されている『面白い恋人』(販売元はよしもとクリエイティブ・エージェンシー)に商標権を侵害されたとして、販売差し止めと廃棄を求め、札幌地裁に提訴した。
吉本側は「『笑い』と『ユーモア』」のつもりだったらしいが、石屋製菓側は「全然面白くない」とバッサリ。「商道徳の欠落は厳しく断罪されるべき。損害賠償を請求する方針」と、穏やかではない。
ただ、この騒動は当事者同士で終わる問題ではなさそうだ。というのも、肝を冷やしている人々が全国にいるからだ。
東京・お台場の『白いお台場』は、クッキーにクリームを挟んだほとんど同じ形状の菓子。大阪には『大阪の恋人』、『通天閣の恋人』もある。京都には『京都の恋人』、奈良には『奈良の恋人』……騒動を受け、ネット上では次々と類似品の“摘発”が始まっている。
そして次なる“容疑者”となったのが、何と中日ドラゴンズのマスコット「ドアラ」をモチーフにした『どあらの恋人』。中身はやはりホワイトクリームを薄型クッキーでサンドしたもの。白を基調としたパッケージも何となく「本家」に似ているような。
中日球団のグッズ担当者に聞くと、
「メーカー側に中日の商標の使用を許諾している立場ですので、諸問題はメーカーに確認してほしい」
とのこと。そこで販売業者に聞くと、「ウチは独自に商品開発をしている。(石屋製菓に)許可を取る必要もない」と自信満々の答えが返ってきた。
今回、『面白い恋人』が問題視された理由は、「パッケージに類似点が多く、ブランドイメージに便乗している」(石屋製菓代理人の大川哲也弁護士)と判断されたため。他の類似商品についても調査しているようで、「問題のあるものは対処することになる」(同前)という。
ドアラにコメントを求めたところ、本人(?)に代わってグッズ担当者が「“今のところは驚いてないので安心して”といってます」と答えた。
※週刊ポスト2011年12月16日号