子供の中学受験を考える親は、とかく大学合格実績や偏差値ランキングで受験校を選びがち。しかし、大学合格実績など教育情報の調査を行う「大学通信」常務取締役の安田賢治さんによれば「本当に大事なのは、子供の学力や個性を伸ばしてくれるかどうかを見極めること」だという。
「たとえ、東大合格者を何十人も輩出している学校に入学したとしても、東大に合格できるのはその学校の成績上位の生徒だけ。平均的な成績の生徒がどのレベルの大学に進んでいるかは、合格実績や偏差値だけではわかりません」
そこで、“学力を伸ばしてくれること”を中高一貫校の新たな指針とするために、大学通信が独自にまとめたのが左のランキングだ。
これは、“入学偏差値”(中学入学時に必要な偏差値)と“卒業偏差値”(高校卒業時の偏差値)の差を“学力上昇ポイント”とし、そのポイントが高い順にランキングしたもの。ポイントが高いほど、入学後の中高6年間での学力の伸びが期待できる。安田さんは、学力上昇ポイントは学校選びの目安になると語る。
「東大合格者数トップ3の開成、灘、筑波大附属駒場は学力上昇ポイントがマイナスになっていて、このランキングの上位にははいってきません。これは入学偏差値が高すぎるからです。いわゆる名門校といわれる学校は勉強を本人の自主性に任せるところが多く、学校が手取り足取りで指導してくれるわけではないので、本人に意欲がないとあっという間に学力が低下するんです。
学力上昇ポイントを重視して受験校を選ぶことで、子供の性格によっては学力がグンと伸びるケースもあります。入学と卒業の偏差値の算出方法が違うので、厳密とはいえない部分もありますが、学校選びのひとつの目安になると思います」(安田さん)
※女性セブン2011年12月22日号