大学3年生(2013年春卒業予定)の就活がスタートしたが、2012年春卒業予定者の4割が、未だに内定を得られていない。20社以上の試験を受け断られた人もたくさんいるが、彼らにはどんな特徴があるのか? 大前研一氏が解説する。
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2011年12月1日から13年春卒業予定の大学生の就職活動が“解禁”となった。「就職氷河期」といわれて久しいが、私が知っている経営者はみな「欲しい人材がいれば、いくらでも採用する」と口を揃えている。
逆にいえば、欲しい人材がいないということで、12年春卒業予定の大学生の就職内定率(10月1日時点)は59.9%と、過去2番目の低さになった。未だに内定を得られていない4割の大学生は、少なくとも20社以上は試験を受けていると思うが、20社以上に断わられた人とは、どんな人なのか? ひと言でいえば「特徴のない人」である。
なぜなら、いま企業は「特徴のある人」を求めているからだ。人事部の採用担当者が最近とくに重視しているのは「うちの会社であなたにしかできないことが何かありますか?」という類の質問だ。それに即答できない人や「協調性です」「誰とでも仲良くやっていけることです」といった返答しかできないような人は採用されないのである。
20社も30社も受けて内定を得られない大学生は、就職に臨む態度が間違っていると思う。就職は結婚と同じか、それ以上に一生を左右する一大イベントだ。結婚する時に相手の性格や素性をよく知らないままプロポーズする人はいない。就職する時も相手のことを詳しく知り、なぜその企業でなければならないのか、明確な志望理由があってプロポーズする(採用試験を受ける)のが当たり前である。
ところが、なかなか内定を得られない大学生は、就職情報会社のサイトなどで企業の知名度や条件だけを見て選択し、その会社が置かれた状況や今後の重点戦略などを綿密に調査・研究しないまま、面接を受けている。だから「うちの会社であなたにしかできないことが何かありますか?」という質問をされると答えられないのだ。逆にいうと、そういう質問に的確に答えられれば、内定を得られる可能性が高いわけだ。
※週刊ポスト2012年1月1・6日号