語学能力があまり高くないといわれることも多い日本人。特に日本人が英語をマスターしづらいのは、脳科学的に説明がつくのだという。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)でもお馴染みの、脳科学者・澤口俊之氏が解説する。
* * *
読者のみなさんの中には、韓流ファンのみならず、美容やショッピングで話題の韓国旅行をするため、できるなら韓国語をマスターしたいと思っておられるかたも少なくないと思います。ところが、語学学習はチャレンジしてもなかなか上手くいかず、長続きしない場合が多いものです。
語学学習は習得したい言語によって、また、自分が生まれ育った環境によって習得レベルが変わってきます。それは、子供のころ(だいたい8才くらいまで)の言語環境によって母国語用の脳が作られるからです。具体的には、脳の中の言語を司る「言語野」という脳領域が母国語用になります。その後、大人になってから新しい言葉を身につけようとすると、脳内の言語野を作り変えなくてはなりません。
例えば、英語は日本語とはかなり異なっているので、言語野を大きく作り変えないと習得できません。多くの日本人が英語をマスターするのにたいへんな努力を要するのはこのためです。
しかし、世界の言語の中には似たものがあり、例えば、英語とフランス語、イタリア語などは、いわば親戚関係にあります。ですから、英語を母国語とする人がフランス語を習うと、比較的スムーズにマスターできます。韓国語は日本語と類似した言葉(語族・語派)に属しています。そのため、文法や音質などが似ていて覚えやすく、習得しやすいのです。
※女性セブン2012年1月5・12日号