子育て、仕事、更年期…いろんな課題を乗り越えていかなければならない、女性の40代。その先の老後をよりいっそうバラ色なものにするためにも、いかに40代を素敵に過ごすかが重要になってくる。女優の麻丘めぐみさん(56)に、楽しく輝くR40ライフを送るためのヒントをもらった。
* * *
「40代は体はまだよく動くし、精神的にへこたれてもすぐ復活できて、まだ女としての現役感がある。いい意味でいちばん女盛りで、パワフルな時期じゃないかと思います。
私自身の40代はものすごく楽しくて、あっという間に過ぎました。それというのも、私は10代、20代、30代とずっとしんどくて。特に30代は最ももがき苦しんだ時期だったんです」(麻丘さん)
演歌歌手志望だった姉を家族で支えていたため、麻丘は幼少のころから子役やモデルとして活動。17才のとき、本人の意思とは関係なく歌手としてデビューし、『わたしの彼は左きき』など大ヒットに恵まれる。
当時のアイドルは多忙を極め、休日もマネジャーが付き添うなど不自由な環境で疲労が蓄積。1977年、22才でテレビ番組のディレクターと結婚したのを機に引退。1979年には女児を出産し専業主婦として過ごすが、1983年に離婚。29才で女優として芸能界に復帰した。
「離婚し、娘を育てるために復帰したのですが、“復帰したいから離婚した”と世間からはバッシングを受けました。そういうこともあり、30代は『負けない!』とどこかつっぱっていましたね。離婚や復帰など自分の出した答えに対し、きちんと生きていかなくてはという重圧で、いろんなものに縛られていたと思います。
娘に対しては『いい母親でいなきゃ!』と気負っていても、一緒にいてやれないもどかしさがある。一方で、娘の面倒を見てくれる母には、私がよい娘でいなきゃいけない。だから休日も気を休めることができなくて。
歌が苦手だったコンプレックスから、女優としてやり直すことに決めたものの、なかなかうまくいかず、人脈を広げるためいろんなおつきあいに無理して参加し、胆嚢炎になったこともあります。
私はこうと決めたらまっしぐらに突き進んでしまうタイプで、振り返ると自分にも人にも厳しかった。だからいろんなことに気が抜けず、日々しんどかったんでしょうね。
何かきっかけがあったわけではないんですが、40才を過ぎたころに突然、ふっ切れたんですね。それだけ疲れていたということかもしれませんけど。『あぁ、もうやめた!』って自分を解放することができて。それで急に楽になったんです。
それまで娘に仕事の話をしたこともなく、いつも『ママは大丈夫』といっていましたが、力が抜けてからは『今日は仕事で大変なことがあって、ちょっとだめなんだ』と愚痴もこぼせるようになりました。人に対して甘えることも覚えましたね」(麻丘さん)
※女性セブン2012年1月5・12日号