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小沢一郎氏 2012年は最後のご奉公、文字通り「最後」と語る

民主党政権の政治運営について東日本大震災や原発事故への対応を見るだけでも大きな失望感が広まっている。改革を掲げ日本の政治を変えようとしたはずの民主党も、気がつけば自民党と同じことをしている。旧体制(アンシャン・レジーム)をなぜ壊せなかったのか。政治ジャーナリスト渡辺乾介氏(『小沢一郎 嫌われる伝説』著者)が小沢一郎・元民主党代表に聞いた。

* * *
――民主党がアンシャン・レジームになってしまった。

小沢:(苦笑しながら)そうなんだよね……。

――その民主党をどうやって、もう一度ぶち壊すのか。

小沢:僕は現時点においては、野田(佳彦首相)さんが初心に返り、政権交代の原点に思いをはせて、そしてぜひ「国民の生活が第一。」の政策に戻ってほしいと、ひたすらに望んでいます。そうしなきゃ、民主党政権に明日がない。必ず国民から見放される。

――すでに、今日もない。

小沢:ん…? 今日もないけれども(苦笑)。

――次の総選挙で「今度こそやります」と訴えたからって、国民は民主党を……。

小沢:それは信用しない。

――政策を担保する何か、あるいは覚悟が本気だと思ってもらうための新たな努力が必要ではないか。

小沢:さっきいったように、僕は野田さんがまず、「国民の生活が第一。」の理念に基づいて、しっかりしたビジョンを語るべきだと思う。それが全くないまま、ただ増税だけを推進しているとなると、民主党政権は滅びる。かといって自民党政権に戻ることもない。日本はぐちゃぐちゃのカオスの状況に入ってしまう。

――国外に目を転じると、北朝鮮では金正日・総書記が死亡し、東アジア情勢も流動的になってきた。

小沢:突然のことで大変驚きました。核開発の問題もありますので、日中韓をはじめ関係各国が緊密に連携して、不測の事態に対処しうる体制を早急に構築することが肝心だと思います。

――選挙まで残り任期は少ない。今の政権が原点に戻らない場合、あなた自身はどういう覚悟を決めるのか。

小沢:その時は、ほかの手段を考えなきゃならない。

――その手段とは。

小沢:今、具体的にどうこうというわけにいかないけれども、今の政権がどうしても(原点回帰は)だめだといったら、僕も国民を裏切ることになってしまう。それは困るし、それによる日本の大混乱も防がなきゃならない。何らかの方法を考えなければならない。

――そのカオスを突き抜けるところで、あなたにとって2012年は相当過酷な年になる。

小沢:最後のご奉公です。文字どおり「最後」です。

※週刊ポスト2012年1月1・6日号

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