2010~2011年は「3D元年」になるとの予測が昨年以降はあった。2009年末に公開された3D映画『アバター』の大ヒットや、各社から続々投入される3Dテレビ、さらにはニンテンドー3DSの発売も見込まれていたことから、各社3Dにかける意気込みにはすさまじきものもあり、メディアからの期待も高かった。
COMPUTERWORLDに掲載された「2011年は3D元年になる?」という記事でも、映画、TV、PCに加え、「写真」まで紹介されていた。しかし、今年4月、ニンテンドー3DSの発売1ヶ月の国内販売台数は83万6000台に低迷。当初見込みより66万4000台少なく、挙句の果てには8月11日から1万円安くするという対処に追い込まれたほどだった。
映画でも『アバター』以降は3D映画のメガヒットはなく、3Dテレビもハードはあるものの、流すソフトが足りないという状態が続くため、その本領を発揮できていない。2010年12月2日の東洋経済オンラインでは「テレビ販売は空前の活況…それでも売れない3Dテレビ」という記事がすでに出ているほどだった。
日本経済復活の救世主として昨年来祭り上げられてきた3Dだが、果たして終わってしまうのか…。
この状況に対し、「そんなわけはない! ふざけるな! 3Dの牙城に“3D四天王”の一角であるTENGAがまだいるってことを忘れるな!」と鼻息荒いのが革新的なデザインと機能で大ヒットとなったオナカップTENGAに詳しく、3Dが描く未来に大いなる期待を持っているライターの宇佐美連三氏(26)だ。
TENGAを製造販売する株式会社TENGAは今年8月5日に、「TENGAは挑戦する。世の中の壁を打ち破るモノづくりに。」「快感のオブジェ」というコンセプトをもって生まれたTENGA3Dを発売。多くの方々にお馴染みのカップタイプのTENGAとは異なり「洗って繰り返し使える」という特徴があり、男性用アダルトグッズに新展開をもたらしたのだ。
SPIRAL、MODULE、ZEN、POLYGON、PILEの5種類が存在し(いずれも参考価格2800円)、その彫刻のような造形の美しさからインスパイアされたアーティストの作品を展示する「TENGA展 ~TENGA 3D MUSEUM OF ART~」を8月6日に開催したほどである。
宇佐美氏は、「3D元年」が「元年」にならなかったことについては、「各社素晴らしい商品を次々と生み出してきました。テレビも映画もゲームも、いずれも3Dがもたらす新たな世界にワクワクしましたが、いかんせんまだソフト開発に負担がかかり過ぎます。そこがネックだったのではないでしょうか」と分析。
その一方で、やもすると「失速」などと書かれてしまった3D関係商品にも未来はある、とも予測する。
「しかし、私は消費者の皆さんに“3Dを捨てないで”とも言いたいですね。だって、悪いものじゃないですもの。いずれソフトが安く技術開発できれば、映画もテレビもゲームも需要は増えるのではないでしょうか」(宇佐美氏)
そして同氏は「消費者の皆さん、まだまだ“3D四天王”の一角として、TENGAがいます。3Dの灯はまだ消えません。現段階の最後の牙城は守られているといえるでしょう」と語った。