人材派遣会社大手の株式会社スタッフサービスが、この度、“サイボーグ003”と広告契約したという。
“サイボーグ003”といえば、劇場アニメーション作品『009 RE:CYBORG』に登場する、紅一点のサイボーグ(以下「003」)。同社のイメージキャラクターとして、タレントではなくサイボーグ003というアニメキャラクターとの契約に至った理由として、同社は、003が「目と耳がいい」ことを挙げる。
003は聴覚と視覚を強化されたサイボーグで、視覚は厚い壁の向こう側まで見通すことができ、聴覚は50キロ四方の物音が感知できるとされるため、確かに視覚と聴覚は“人並外れて”いることは間違いない。同社は「003は長時間のPCワークや会議での議事録作成などの事務処理作業に向いている」と説明し、また、「自分が産んだ子ではない001に対する優しさが当社宣伝担当の心を打った」ことも明かした。
CMの中で、サイボーグ003は、“とある日本企業で正社員として働いている”という設定である。事務処理能力の高さが評価されたことに対し、就活事情に詳しい人材コンサルタントの常見陽平氏は、「正直、意外」と驚く。「最近の若手正社員に求める力では、主体性や積極性、リーダーシップなど“前に進む力”が重視されている中、仕事をキチンとこなすタイプの人を評価したのは意外だ」というのだ。しかし常見氏は同時に、「事務の仕事をするうえで求められるのは、たしかにスピーディーかつ正確で、チームで働けること」とも。「そう考えると、契約理由にもうなずけるものがある」という(常見氏)。
そんな003は、有事の際にはサイボーグ戦士として召集されるため、常に緊張感を保持。事務処理能力の高さに加えて、緊張感をもちながら、周囲への気配り・優しさも見せる003に対し、常見氏は、「気配りは大事。仕事には心技体すべてが求められる時代。(人工的すぎる)サイボーグのような人間は要らないのだが、今回は“気配りのできるサイボーグ”である点が評価されたのでは?」と語った。