もし、あなたの家族がいきなり「今日から犬になる」といい始めたらどうしますか? 東京都に住む栄養士のTさん(36)の夫(不動産会社勤務・37)は、ある日いきなり「犬宣言」をしたのだという。Tさんが、そんなバカ夫への複雑な感情を吐露します!
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「おれ、今日から犬キャラだから、よろしく」
朝起きたらいきなり夫にいわれたんです。てっきり夫の実家で飼っているミックス犬と夫が「顔そっくり」って笑いものにしていたこと、怒ったのかしらと思えば。
「おれさー、男やってるのに疲れたんだよねぇ」と大まじめ。「えっ、どういうこと?」意味がわからず問い質すと、
「だから、おれは今日から人間の男じゃなくてオス犬になったの」
「じゃ、ご飯はテーブルの下ではいつくばって食べるってこと? パンツもはかないの?」
「うーん。…それでも、いいよ」
結婚前からちょっと変わったことをいったりしたりする人だったけど“脱人間の男宣言”には本当に戸惑いました。
でも、“犬”になった夫はイキイキしちゃって人が変わったよう。朝は玄関先で「犬なのに、仕事に行くおれって、偉くない?」。洗濯ものをたたんでと頼めば「犬なのに洗濯ものもたためるなんて、すごくない?」。
卵焼きを作れば「料理作れる犬なんていないよ」と大威張り。ストレスが溜まると「アオーン、アオーン」ってホンモノの犬と河原に行って叫んでいます。
めざましいのは夜。もう張り切っちゃって、アッという間に念願の子作りに成功しました。そんな夫は「犬キャラになって生きるのが楽になった」ってときどきシミジミいうんです。しかし私のお腹の子は人の子? それとも…。
出世をあきらめた夫は「絶対、安産」って私のお腹をなでてくれますが、なんか不安です。
※女性セブン2012年2月2日号