白澤卓二氏は1958年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。アンチエイジングの第一人者として著書やテレビ出演も多い白澤氏によると、アルツハイマー病発症と、野菜・果物ジュースの摂取量に大きな相関があるという。以下は、白澤氏の解説だ。
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年末年始に暴飲暴食し、体重が増えてしまって後悔している人も多いだろう。そこで今年こそはダイエットしたいと誓う人に向けて、無理せず続けられる「食べすぎない4つのコツ」を解説したい。
その4つの習慣とは、【1】一口30回噛む、【2】野菜から食べる、【3】朝食は抜かない、【4】食べ放題、飲み放題の店に入らない。
なぜ野菜から食べるのか? 理由は単純で、野菜はカロリーが少ないので、野菜で満腹になれば自然とカロリー制限が実践できるからだ。野菜には食物繊維やビタミン、ミネラルやフィトケミカルなど健康維持に必要な栄養素が豊富に含まれているが、これらの成分はカロリーが少なく、エネルギー源にはならないのである。
米国テネシー州ナッシュビルのバンダビルト大学のキ・ダイ博士らはワシントン州キング郡に在住の日系アメリカ人1836人を9年間追跡調査し、どのような食事を摂っている人がアルツハイマー病を発症し、どのような食事の人が予防できたのかを調べた。
その結果、野菜・果物ジュースを週に1回未満しか飲んでいなかった群では、517人中30人がアルツハイマー病を発症したのに対し、3回以上野菜・果物ジュースを飲んでいた群では、785人中22人しかアルツハイマー病を発症していないことが分かった。
さらに、週1~2回飲んでいた群では、257人中11人がアルツハイマー病を発症していたことから、週3回以上野菜・果物ジュースを飲むことによって、発症リスクを76%、週1~2回飲むことにより発症リスクを16%減少させることができると推論したのである。
週に1~2回の野菜・果物ジュースでは不十分で、毎日の摂取こそがアルツハイマー病の予防には必要だということ。ビタミンC、ビタミンE、βカロテンによる予防効果は確認されなかった。サプリではなく複数の野菜・果物の摂取が重要なのである。
※週刊ポスト2012年1月27日号