ライフ

皮膚炎を発症することも… 今さら聞けない花粉症の知識

そろそろ始まる花粉シーズン。今年は2月中旬から飛び始め、例年と同じか少し遅い見込みだという。毎年、日本中が悩まされる花粉症だが、そもそもどういうものなのだろうか。今さら聞けない素朴な疑問に、日本アレルギー学会認定専門医で、アレルギーのスペシャリスト、用賀アレルギークリニック(東京)院長の永倉俊和先生に答えてもらった。

まずは、花粉症のメカニズム。いったいどうして花粉症になるのだろうか。

「体内にはいった花粉は異物(抗原)とみなされ、それを排除するため、体内にIgEと呼ばれる抗体がつくられます。この抗体は、肥満細胞という免疫反応に関係する細胞に付着。この細胞が再び花粉に接すると、IgE抗体を介して花粉と結合して化学伝達物質を放出します。この物質が神経や血管を刺激し、くしゃみや鼻水などの症状を引き起こすのです」(永倉先生)

よくいわれるのが「花粉症はいきなり発症する」ということ。前年までは大丈夫だったのに、今年突然症状が出てくる、なんていうのも珍しくない。どうしてこんなことが起きるのだろうか。

「花粉の飛散量が年により異なるのが最大の原因です。発症のメカニズムを見てもわかるように、誰でも大量の花粉が体内にはいってくると、IgE抗体をつくり出す可能性が高くなります。この抗体がたくさん産生されて、花粉の多い年にさらに大量の花粉を吸い込むなどの刺激を受けると花粉症を発症しやすくなるのです」

では、花粉症になりやすい体質はあるのか?

「日本では、花粉症の原因となる植物が約60種類あります。春はスギやヒノキ(北海道はシラカバ)、夏はイネ科のカモガヤ、秋はブタクサやヨモギなどが有名です。どの植物が原因で花粉症が発症するかは人によって違いますから、事前に予測はできません。ただ、過労やストレス、睡眠不足などにより、抵抗力が低下している人は花粉症になりやすいといえます」

花粉症の症状といえば、鼻水、鼻づまりなどが一般的だが、実はそれだけではないのだという。

「鼻水、鼻づまり、くしゃみという鼻の三大症状に加え、目のかゆみ、涙、充血といった目の症状が典型的ですね。そのほか喉のかゆみ、熱っぽさなどの症状が表れることもあります。また、呼吸器系の病気が起きる場合もあります。

よく見られるのがアレルギー性の咳です。花粉が気管にはいって、非常にしつこく頑固な咳が続きます。さらに、皮膚炎の症状もあります。特に露出している部分、首筋・肩などに頑固な皮膚炎が出てきます。これは体内からではなく、花粉が直接皮膚を刺激して起こる皮膚炎です」

※女性セブン2012年2月9日号

関連キーワード

トピックス

劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン