いくつになってもときめきを求めるのが女性。今回は鳥取県の専門職Mさん(45)の忘れられないプロポーズに、ときめいたという。以下はMさんの告白だ。
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私には、夫にされたときよりも忘れられないプロポーズがあるんです。
10年以上前から、小児科で看護師をしているのですが、私が配属されたときから、たびたび小児喘息で来院する男の子がいたんです。確か小学3年生くらいだったと思います。
目がクリクリしていてかわいいんですが、かなりのやんちゃ坊主。何度か入院したこともあるのですが、症状が治まると、私たちの背中にシールを貼ったり、用もないのに看護師を呼ぶボタンを連打したりといたずら三昧。まぁ、どれもかわいいいたずらなので、「またAくんのしわざ~」なんて、笑ってすませていたんですが…。
あるとき、発作が出たAくんが、夕方に来院したんです。点滴で症状は治まったものの、念のため、朝まで入院することに。いつもはAくんのお母さんがつきそっているんですが、その日はAくんの妹さんが熱を出したとかで、夜は家に帰ってしまったんです。
でも、深夜に、また発作が…。すぐに治療を施したのですが、薬が効くまでは本当に苦しそうで、私が背中をさすってあげていたんです。そしたら、私の指を黙ってギュッとにぎってきて…。いつも強がっているけど、本当はいろいろなことを我慢しているのかなって、ホロリときてしまいました。
退院する日の検温時、「Aくん治ってよかったね」って声をかけたら突然、「Hさんってさ、彼氏いなさそうだよね」なんて、ニヤニヤしながらいうんです。「そう、いま募集中。Aくん彼氏になってくれる?」って冗談でいったら、「いやだよ~」なんて笑いながら、ベッドの上をピョンピョン。そして、「でも、オレが大きくなったら結婚してやってもいいよ」ですって。その照れた様子が、かわいくてうれしくて、ちょっと、ときめいてしまいました。
いまでも、同じ年ごろの男の子を見ると、Aくんを思い出し、ホッコリした気分になります。
※女性セブン2012年2月9日号