<M7級の首都直下型地震が今後4年以内に約70%の確率で発生する>
東京大学地震研究所の研究チームがこんな試算をまとめた。東日本大震災では、その被害の多くが津波によるものだったが、直下型地震の場合、危惧されるのは阪神・淡路大震災のような建物の損壊と火事だ。
それでは一軒家の場合はどうなのだろうか。日本セイフティー災害研究所所長の伊永勉氏は「庭をつけることが理想」と話す。
「庭は避難場所になるだけでなく、庭があれば隣が火事になっても簡単には燃え移ることはありません。ですが、当然値段は高くなる。耐火壁を取り付けるなどして燃え移ることを防ぐ工夫が必要です」
木造家屋の場合、耐火壁は100平方メートルで約50万円といわれている。土地代の高い首都圏では庭付きはおろか駐車場スペースも1階部分に取り付けていることも少なくない。しかし、こうした住居では耐震性は大きく損なわれるという。
「入り口部分の壁がないため、柱はあっても、建物上部を支える壁面が減ってしまうんです。阪神・淡路大震災のときはこうした住居が多く全壊していました。柱と柱の間に梁を増やすなど補強する必要があるでしょう」(前出・伊永氏)
ほかにも地震に弱い一軒家として凹凸型のタイプがあると危機管理教育研究所の代表・国崎信江氏は指摘する。
「家の形の理想は正方形。凹凸のある複雑な形の場合、揺れ方も複雑になってしまい、一部に集中して力がかかってしまうんです。また吹き抜け構造も柱や梁の数が減ってしまい強度は落ちてしまうでしょう」
家の損壊を免れても、地震の揺れは大きな危険を引き起こす。テレビやタンスといった大型の家具は凶器となる。それを防ぐために家具の固定はよくいわれることだが、ただ金具で固定すればよいというわけではない。
「家具は金具で2か所以上柱や桟に固定する。洋間の場合、柱や桟が壁に隠れて見えないことがありますが、叩いてみると簡単に探せます」(前出・国崎氏)
それでも万が一のことを考え、部屋の家具の配置も注意したい。
「寝る場所を家具が倒れてこない位置に変えたり、家具が倒れても扉が開くように、物を置く配置を考えましょう」(前出・国崎氏)
※女性セブン2012年2月9日号