パーキンソン病に侵された86才の父を、8年間にわたって介護している女優・高島礼子(47)。彼女が、これまで明かすことのなかった介護に関する苦悩を初めて語った。
「最初は“何でもかんでも自分たちで”と必死に頑張っていました。でも、結局、父も私たちもみんな疲れちゃうんです。父が入院した当初は毎日毎日、病院に通っていたんです。
看護師さんから、『本当に疲れますから、無理なさらないで』なんていわれても、『私は全然大丈夫なんです』ってムキになって答えていました。でも、結局はストレスを溜めることになって、本来、病気の本人こそがつらいのに、自分たちがいちばん大変となってしまう最悪なパターンになっていたこともありました」(高島)
そんな高島を救ったのが、2004年に放送されたドラマ『異議あり!女弁護士大岡法江』(テレビ朝日系)で共演した戸田恵子(54)だった。彼女自身も、肝臓を悪くして、晩年は認知症にまでなってしまった母親を、14年もの間介護し続けていた。
「介護の疲れから収録の合間に暗い顔をしていた私に、戸田さんが、『どうしたの? そんな疲れた顔をして』っておっしゃってくださって。初めはこういうことって話しちゃいけないって思っていたんですけど、実は…って話したら、戸田さんが、『何いってるの? 私は介護のプロなんだから、何でも聞きなさい』と励ましてくださいました。
彼女からは、『なるべく触ってあげなさい。触れてあげなさい』といった細かいアドバイスをしていただきました。それ以来、ずっと父親に会えばベタベタ触っています(笑)。
それからは人に話すようにしたんです。そうしたら意外と周りの女優さんたちには介護されているかたも多くて、いろいろと経験談を聞かせていただくことができました。介護について学ぶことができましたね。心を開いて、恥ずかしいと思わず、相談したりだとか、人の様子を見たりだとか、お医者さんの話を聞くべきだなあって思いました。
相談というか、人に話しているうちにストレスも消えていって、人に頼る勇気を持つことができました。すると自然と『頑張らなくていいんだ』と思うようになったんです。自分の限界を知って、お手上げの状態になったら、『助けて』という気持ちを持つことは大切ですよ。
私は、自分の心を豊かにすることで、父親とちゃんと向き合えました。こっちが勝手にイライラしちゃうと、父も感じ取って、ずっと暗い顔になってしまいますからね」(高島)
現在、高島の実家ではヘルパーや家政婦が5~6人交代で、24時間態勢で父親の介護にあたっているという。
「こういうと、お金を相当かけているように思われるかもしれませんが、調べると、いろいろな補助金とかあるんです。区役所で聞くとか病院で聞くとかしたほうがいいです。私も自分で区役所に行って、特定疾患医療給付制度や障害者認定を受け、控除の申請をしたりと、公的な制度を活用して、医療費などの負担を軽くしているんですよ」(高島)
※女性セブン2012年2月16日号