なかなか給料も上がらないなか、無駄な支出は減らしたいもの。でもどうやって? どの部分を? そんな疑問に応えてくれるのが、サラリーマンの無駄遣いをバシバシ斬っているファイナンシャル・プランナーの伊藤亮太氏である。同氏は「月額制有料アプリ」の見直しを検討することをアドバイスする。以下、伊藤氏の解説だ。
* * *
iPhoneなどのスマートフォンがすっかり普及してきている。スマホに買い替えたら、有料アプリを利用してみたいとお思いの方も多いだろう。また、現在使っている携帯において、月額制の有料アプリを利用されている方もまだまだ多いのではないだろうか。そうした方々に対して、有料アプリは無駄遣いの典型例であるからできる限り購入すべきではないといいたい。特に、利用しなくなったアプリで、月額制のものがある場合、今すぐにでも解約することを勧めたい。
アプリの料金体系については、大きく分けて以下の4種類が存在するかと思う。
(1)無料で利用できるアプリ
(2)購入時のみ料金が発生するアプリ
(3)アイテムなどを買い増しする際に更に料金が発生するアプリ
(4)月額でかかるアプリ
iPhoneやスマートフォンにおけるアプリは、(1)~(3)のものが多いといえる。一方、以前からの携帯(ガラケー)の場合は、(4)の月額制のアプリも数多く存在する。
特に無駄遣いとなるのは、(4)の月額制である。単純に1ヵ月315円だったとしても、年間で見れば3780円となる。怖いのは、月額制と最初は分かっているものの、そのことを忘れ支払い続けている場合である。積もり積もればかなりの金額になる。最近利用していないアプリで、月額制のものがあれば即刻解約することで無駄なコストを削減できる。
その他、携帯の買い替え時に、いろいろとサービスがつく代わりに、よくわからないまま、お店で話をされるがまま、毎月課金されるアプリに加入させられている場合がある。利用しないものはすぐにでも解約し、毎月かかるようなコストを削減すべきである。毎月かかるコストの削減が節約の効果としては最も大きくなるといえる。
また、(2)や(3)の有料アプリであっても、特に購入する必要はない。無料のアプリで十分楽しめるし、無料のアプリでも使い方次第ではかなり利用価値があるといえる。有料アプリを購入する場合には、なぜそれを使うのかしっかり検討したうえで、「自分にとって、ずっと使い続ける価値がある」と思えるものだけにとどめておくべきであろう。
たかが数百円とあなどるなかれ。積もり積もれば大きな金額になっていく。ましてや月額制の場合、気づいたら多額の利用料を支払っていることもありえる。一度計算してみると良い。
更に言うなれば、アプリを利用している時間も場合によっては無駄な時間を費やしているといえるかもしれない(特に暇つぶしに利用する場合)。その時間を活用して、早めに仕事を終わらせたり、読書などに利用した方がマシといえないだろうか。アプリの利用の仕方によって、お金も時間も節約できるかもしれない。
文/ファイナンシャル・プランナー 伊藤亮太
http://www.ryota-ito.jp/
<プロフィール>
年間を通して平均約70件のマネー相談(家計簿診断、資産運用相談など)を行い、FP資格関連書籍六冊、証券外務員資格関連書籍一冊、金融入門一冊等、執筆も多数。大阪証券取引所、SBI証券、紀陽銀行等の金融機関、大東文化大、立教大学等で資産運用関連、金融業界動向の講義など多角的に活動中。2011年秋学期からは東洋大学経営学部会計ファイナンス学科非常勤講師も務める。