立春を過ぎたとはいえ、まだまだ寒さが続くなか、鍋物が恋しい日も。でも一人で鍋物を作るのも材料が無駄っぽいし、家族がいてもちょっとだけおでんを食べたい…というときにちょっとだけ作るのも、というときに便利そうなのがコンビニのおでんだ。各コンビニではレジ横におでんコーナーを設ける売れ筋商品で、70円から100円前後といったところだが、実はこの値段について「高い」と分析するのは、ファイナンシャル・プランナーの伊藤亮太氏である。
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よ~く考えてほしい。寒い季節におでんを食べたくなるのは分かるが、コンビニのおでんは割高ではないだろうか。試しにセブンイレブンのHPから、おでんの種の価格を調べてみた。
・たまご 90円
・大根 75円
・白滝75円
・こんにゃく75円
・がんも 110円
・焼ちくわ 105円
・ロールキャベツ 120円
上記は一例だが、いずれも100円前後でお手頃価格感があるのは事実。では、自分で作った場合を考えてみよう。地域による価格差がないネットスーパーを調査してみた。
・一正 おうちであったかおでん袋1袋(10種18コ)298円(標準売価は358円)
大判さつま揚、角さつま、ちくわ、ごぼう巻、ソフト三角揚、揚ボール、つみれ、赤ボール、平がんも、玉がんもの10種18コが入っている。スープ付。
上記はおでんの「セット」であるが、平均すると1コあたりの単価は16円になる(標準売価の場合、約20円)。タネの大きさは違うかもしれないが、それでもがんもや焼きちくわのコンビニの値段と比較すると明らかに安く済ませることができる。
また、大根は3分の1カットで購入したとしても、ネットスーパーでは74円で販売されていた。少なくともおでんにする場合、3分の1カットがあれば、2個以上は作れるはず。ましてや1本まるごとで購入する場合、通常のスーパーでは138円などで販売されていることから、おでんの大きさで考えた場合には1コあたり30円ぐらいでできてしまうと思われる。
このように考えると、コンビニで販売されているおでんの価格は、スーパーでおでんの種を購入した場合の2倍~5倍ぐらいの価格で販売されているといえる。作る手間はかかるものの、おでんセットをスーパーで購入し、自分で作った方がはるかに安くなる。コンビニでおでんを購入することは無駄遣いの典型例といえるであろう。
また、100円ショップに行けば、1人前のおでんが3~4種入って105円で販売されていて、これで十分だと思われる。コンビニで買えば300円以上するだろう。ましてやおやつや間食に購入するのであれば、節約をするという観点からは「買わない」という選択肢があるべきかと思う。
ファイナンシャル・プランナー 伊藤亮太
http://www.ryota-ito.jp/
<プロフィール>
年間を通して平均約70件のマネー相談(家計簿診断、資産運用相談など)を行い、FP資格関連書籍六冊、証券外務員資格関連書籍一冊、金融入門一冊等、執筆も多数。
大阪証券取引所、SBI証券、紀陽銀行等の金融機関、大東文化大、立教大学等で資産運用関連、金融業界動向の講義など多角的に活動中。
2011年秋学期からは東洋大学経営学部会計ファイナンス学科非常勤講師も務める。