レストランでカシャ、カフェでカシャ、定食屋でもカシャ。ケータイのカメラで料理やデザートを撮る人、増えてると思いませんか。ひょっとして、あなたも? 日本では当たり前になりつつあるこの光景。外国人にとってはとっても不思議なんだとか。そればかりか、明らかなマナー違反にあたるという声も。
飲食店での撮影行為に、法律的な問題はないのだろうか。
「実は私も、よく撮影するんですよ」と、弁護士の田中喜代重さんが苦笑いしながら答えてくれた。だが、この「撮影」だが、法律的にはどうなのか?
田中さんに「飲食店での料理の撮影は法律的にOK?」を聞いてみると、「実は非常に難しい問題を含んでいます。ポイントのひとつは、料理が美術的価値をもつかどうかでしょう。もし料理が美術的価値をもつとすると、それは著作物になる可能性があります。その場合にはお金を払っていても、勝手に撮って店名などを記さずにブログなどで公表することは認められません。料理に著作権が認められるかどうかは、今後、議論されなければいけない問題ですね」と回答。
また、店側に撮影をやめさせる権利はあるか否かについて田中さんはこう語る。
「施設の管理者として店の雰囲気はとても大事ですから、フラッシュの光や撮影時の音などを理由にして、撮影を止めさせることはできます。店側が撮影禁止を求めるのは何ら不当ではありません。指示に従わず、店の営業に支障が出るようであれば、客は追い出されるということもありえます」
また、ブログにコメント付きで写真を載せていいかどうかについて、田中さんの見解はこうだ。
「ここでも著作権が認められるかどうかがかかわってきますが、いずれにせよ注意すべきは、お店にとってマイナスになる書き込み。もし真実であったとしても、迂闊に『不味い』とか『ヒドイ料理』などと評価をおとしめる内容を書き込むと、名誉毀損になる可能性があります」
※女性セブン2012年2月23日号