歳費の額が世界一という日本の国会議員の厚遇ぶりは広く知られているが、地方議員の厚遇ぶりも目に余る。
都道府県議の月額報酬は平均で80万円。3か月分程度の期末手当(ボーナス)を合わせると、平均年収は1200万円になる。47都道府県で最高額を受け取っている東京都議は、約1700万円だ。政令指定都市の市議も高く、横浜市議は年収1600万円ほど。市議、町村議の平均年収は700万円、350万円程度だ。
ところで、地方議員のボーナスは地方自治法の規定では必ず支給しなければならないものではない。議会が要らないといえば支払いは不要だ。しかし、ほぼ100%の地方議会で支給されている。
しかも、それらはあくまで表向きの年収だ。実は都道府県議を中心に、国会議員にもない「第2の給料」が存在する。給料に加えて、なぜか議会や委員会に出席した分だけ日当が支払われるのである。「費用弁償」という制度で、日額旅費とも呼ばれる。遠隔地に住む議員が議場に出てくるための交通費や宿泊代という位置づけだが、その額はバカにならない。
東京都議は23区に住んでいれば1日1万円、23区外であれば1万2000円が支払われる。都議の平均出席日数が100日程度なので、これだけで100万円の収入になる。どう考えても、都内在住の議員が交通費に1万円もかけているとは思えないので、実質的には日当だ。全国の議会では、ここ数年、猛烈な批判を浴びて交通費を実費精算に切り替えるところもでてきている。
※週刊ポスト2012年2月24日号