ソウルの日本大使館前に反日団体によって「従軍慰安婦の碑」が建立されるという暴挙に、韓国人の苛烈さを見て取った日本人も多いだろう。だが、ソウルだけではなかった。彼らは韓国内だけでなく、アメリカでも同様の碑を建てていた。日本人を貶める反日運動は、より戦略的に全世界で展開されようとしているのだ。ジャーナリストの水間政憲氏が報告する。
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米国ニュージャージー州パラセイズ・パーク市の図書館に「日本軍従軍慰安婦の碑」が建立されたのは2010年10月23日。怖ろしいのはこの碑の建立計画が1つでは終わらないということだ。建立計画を推進している韓国人有権者センター(KAVC)のキム・ドンチャン所長は中央日報日本語版(2010年10月25日付)の記事で、こう述べている。
〈「2007年、米州韓人たちの草の根の力により連邦下院で日本軍慰安婦決議案通過を導き出したが、日本がこれを無視する態度で一貫し、このイシューが忘れられそうだった」とし「今後、ニューヨーク市フラッシングとロサンゼルス市オレンジカウンティを含む米国内20カ所に碑建立を拡散する計画だ」と話した〉
この発言からわかるように、慰安婦碑の建立計画は、2007年6月、米国下院外交委員会で「従軍慰安婦問題の対日謝罪要求決議案」が可決されたのに続き、同7月31日に下院本会議場に於いても、満場一致で可決したことが影響している。言ってみれば、法案可決で成功体験を得た在米韓国人が繰り出した次の一手が、慰安婦碑建立なのだ。
当時、カリフォルニア州選出のペロシ下院議員とマイク・ホンダ下院議員が主導していると問題視されていたが、今やカリフォルニア州地域だけの特殊な問題ではなく、ニュージャージー州を含む全米に広がり始めている。
この流れを阻止出来なければ、在米邦人の子供たちがより過激な「イジメ」に遭遇することも懸念される。やがてこれらはいわれのない差別につながる可能性がある。看過できない問題だ。
※SAPIO2012年2月22日号