白澤卓二氏は1958年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。アンチエイジングの第一人者として著書やテレビ出演も多い白澤氏によれば、メタボリック・シンドロームと食習慣には密接な関係があるという。以下、白澤氏の解説だ。
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今や国民病となったメタボリック・シンドローム(以下メタボ)。国民健康・栄養調査によると40歳から74歳の男性の2人に1人がメタボ、またはその予備群と考えられている。
名古屋大学医学部の衛生学研究室では、1997年から愛知県の某自治体職員約1万人を5年間追跡調査し、新たにメタボと診断された男性1857人に対して食習慣とメタボの発症リスクの関連性を検討している。
「腹一杯食べる」男性に比べて「腹八分目に控えている」男性はメタボの発症リスクが約半分だった。また、「脂っこいものが好きな」男性に比べて「あっさり系が好きな」男性も発症リスクが約半分。
さらに、塩・しょうゆ・みそなど「濃い味付けを好む」男性に比べて、「薄味が好きな」男性はメタボの発症リスクが30%低く、「濃い味付けが好きだが控えている」男性は40%も発症リスクが低いことが分かったのである。
※週刊ポスト2012年3月2日号