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潰瘍性大腸炎 患者数は1970年代の10倍以上、20~40代に多い

 潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができ、出血を伴う下痢や痙攣性の腹痛などの症状が出る炎症性疾患だ。かつては欧米に多い病気だったが、日本でも1970年代には数千人だった患者数が、現在では約12万人と急増している。発症は20~40代の働き盛りに多い。

 欧米を中心に発症に関わる遺伝子的要因が複数報告されているが、現在のところ決定的な遺伝子は特定されていない。原因は不明だが、食生活の洋風化やストレスなどの環境要因がかかわっているといわれる。

 近年、その一因として注目されているのが腸内細菌叢だ。腸は免疫機能の重要な役割を担っているが、腸内細菌叢のバランスが崩れると免疫不全や自己免疫反応の異常が起こり、これも発症に関与していると考えられている。

 東邦大学医療センター佐倉病院消化器センターの鈴木康夫教授に話を聞いた。

「潰瘍性大腸炎は、原因や症状が人それぞれ違う疾患群です。発症して1回で治るのは20%未満で、大多数が再発を繰り返します。軽症から重症までさまざまで、炎症も直腸だけというものから大腸全体に広がっている症例もあります。重症度と病型を見極めた上での治療計画が必要です」

(取材・構成/岩城レイ子)

※週刊ポスト2012年3月9日号

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