子供の育て方には、褒めて伸ばす一方で、正しい「叱り方」があるという。フジテレビ系のバラエティー番組『ホンマでっか!?TV』でもお馴染みの脳科学者・澤口俊之氏が、電車のなかで自分勝手に騒ぐ子供にしないための「正しい叱り方」を紹介する。
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前回は子供の褒め方についてお話ししましたが、今週は、「叱り方」についてお話ししましょう。お母さんたちはさまざまな場面で、子供を叱るべきかどうかで迷われているようです。そこで踏まえておくべきは、「叱る」ことの意味です。
子供を叱る目的は、規範を習得させることです。「規範」とは、社会生活を営むうえでの行動や判断の基準となる手本です。簡単にいうと、大人が幼い子供に「していいこと」と「してはいけないこと」のルールを教えることです。
では、私たちはどのような場合で子供を叱ればよいのでしょうか? 基本的には、規範を破ったときにすぐ「叱る」というのが正しい「叱り方」です。そのためにはまず、みなさんの家庭なりの規範、ルールをあらかじめ作っておくとよいでしょう。そして、子供がそのルールを破ったら、すぐにきちんと叱ります。
叱るときは、あれこれくどくどいうよりも、強くて太い声で短く叱ります。本当は父親か男性がいいでしょう。言葉で長く「説教」するのは、思春期以降はともあれ、幼い子供にはほとんど効果がありません。
私がお勧めするよい叱り方は、驚かれるかたも多いと思いますが、小部屋に閉じ込めたり、柱に縛りつけたりする方法で子供を「拘束」して、自由にならないことを教えるというものです。家庭で行う場合は、押し入れなどを利用し、子供が泣いても、暴れても、10~20分間は、拘束して反省させます。
「そんなことをしたら子供がかわいそう」とか、「虐待だ!」という声が聞こえてきそうです。しかしこの方法は、身体の自由を奪うことで、自分よりも親のほうが上位の存在だと認識させられるとともに、全てが自分の思うように自由にはならないということを、身をもって学ばせることができる有効な叱り方なのです。
望ましくないことを好き勝手にさせておくと、大きくなってから困るのは、その子供自身です。していいことといけないことの区別がつかないままに育ってしまいます。
※女性セブン2012年3月15日号