羽田、お台場、品川、浦安、市川、川崎、横浜…首都直下型地震では、東京湾臨海部が軒並み震度7を記録する。東京23区でもほとんどが震度6強の激しい揺れに見舞われる──
3月上旬、文科省のプロジェクトチームは、このような首都直下型地震に関する最新の予測結果を発表する見込みだ。その内容は、東京湾北部を震源とする地震が起こった際、これまでの推定よりプレート境界が10kmほど浅くなるというもの。前出の地区などでは最大震度6強としていた想定が震度7へと引き上げられる。
防災アドバイザーの高荷智也さんはこう話す。
「首都圏だけではなく、東海地震、東南海地震も近いうちに確実に起こります。耐震への備えは“待ったなし”の状態です」
震度7は気象庁の定める震度階級で最大となる。いざ、その揺れに襲われたとき、自分が住む戸建てやマンションは持ちこたえることができるのだろうか。
日本の建築基準法では、1981年以降に建てられた住宅は、一応、震度7の地震でも倒壊しない構造になっている。ところが、住宅診断大手のさくら事務所ホームインスペクター(住宅診断士)・大久保新さんは、こう警鐘を鳴らす。
「3.11以降、大きな地震が頻発しています。建物には地震のダメージが蓄積され、耐久性が大きく下がっていることもあります」
気象庁の観測によると、3.11以降、日本列島を襲った震度5弱以上の地震の発生回数は計70回にも及ぶ。都道府県別で見ると、福島県のように計26回も震度5弱以上の地震が起こっている地域もある。
「度重なる地震で、柱と柱の接続部分の金具がゆるくなったり、外れている家屋もあります。その場合、次の大地震で壊れる可能性も」(大久保さん)
耐震への備えは急務といえる。とはいえ、何から手をつけてよいかわからないという人も多いだろう。前出・高荷さんは、まず家屋内の“耐震性”を高めるべきとアドバイスする。
「最も危険なのは、家具の転倒・落下による圧死です。これらの備えは、各家庭が週末の日曜大工・DIYで行うことが充分可能。たった数時間の備えが生死を分ける可能性もあるのです」
※女性セブン2012年3月22日号