人気子役の大橋のぞみ(12)が、3月いっぱいで引退することが明らかになったが、彼女はどうして芸能界を去る決断をしたのか? その背景には、子役ブームの光と影が…。
「昨年秋ごろから本人を交えて、両親、事務所が何度も話し合いを重ねてきたようです。その結果、出た結論が今回の引退だった。4月に中学校に入学するこのタイミングで、学業に専念すると決めたそうです」(スポーツ紙芸能記者)
映画『崖の上のポニョ』の主題歌などで話題となった大橋。NHK紅白歌合戦にも出場し、愛くるしい笑顔と明るいキャラクターで支持を集めていた。最近では、女優としても映画やドラマなどに出演。今後の活躍が期待されるなかでの引退発表だった。
アイドル評論家の北川昌弘さんは「せっかくこれだけの知名度を得たのだから、それを捨てるのはもったいない気もします。学業優先で一時的に休業する子役はいますが、ここまでスパっと辞めるのは最近では珍しいのではないでしょうか」という。
これまで、活躍をしながら引退した子役の例では、『黒ネコのタンゴ』で200万枚を超えるヒットを飛ばした皆川おさむさんが、声変わりを機に小学校卒業と同時に芸能界を引退。『チャコちゃんシリーズ』で活躍した四方晴美さんは20代前半で芸能界を引退した。ふたりとも現在は、芸能界とは別の世界で第二の人生を歩んでいる。
そのほかの人気子役はどうか。間下このみ、保積ぺぺ、安達祐実、小林綾子らはいまも芸能活動を続けているが“人気子役、大成せず”といわれるように、以前ほど目立った活躍はしていない。子役出身で活躍しているのは、最近では志田未来、井上真央ぐらいだ。
「やはり子役のときのイメージが強すぎると、大人になったときに、そのイメージを払拭できず、演じる役柄なども制限されてしまう。子役時代以上の活躍をするのは難しいのが現実です。それが“子役、大成せず”といわれる所以です。本人に芸能活動をずっと続けていきたいという強い意志がなければ、なかなか続けられないでしょうね」(北川さん)
いまは空前の子役ブーム。芦田愛菜を筆頭に、鈴木福、本田望結、加藤清史郎など、話題のCMやドラマには多くの子役が出演している。そんななかで、彼らよりも5才ほど年上の大橋の登場機会が以前ほどなくなってしまっていたのも事実だった。
「自分に集まっていた注目があっという間に愛菜ちゃんら他の子役に移ってしまったことに、大橋さんにも戸惑いはあったでしょう。このまま自分が芸能界でやっていけるのか、という思いになったとしても無理はありません。一方で、愛菜ちゃんが今後もいまのような活躍を続けられる保証はどこにもありません。小学校を卒業する年齢になったときに、その後の芸能活動についてじっくりと見つめ直すときがくるでしょう」(北川さん)