カリフォルニア州の小さなバイオ企業ビブスが新薬承認申請中の抗肥満薬「Qnexa」(キューネクサ)が、2月22日に米国食品医薬品局(FDA)の内分泌・代謝性医薬品諮問委員会から承認勧告を受けた。それに基づき、FDAは遅くとも4月17日までに審査を完了することになった。
キューネクサは、食欲抑制剤フェンテルミンとてんかん治療などに使われるトピラマートを混ぜ合わせたカプセルで、1日1錠を服用する。食欲を減退させながら、食べた満足感を生じさせるという、二つの感情をコントロールすることで摂取カロリーを減少させるメカニズムだ。
4323人もの肥満の人を対象にした臨床試験では、1年間で平均10%の減量効果が認められたという。さらに血糖コントロールや食生活の修正プログラムを取り入れることで、心血管系疾患の発症リスクを抑えることができたという。まさに、「夢のメタボ薬」なのだ。
もっとも、キューネクサはBMIが30以上という病的な肥満の人が対象だ。27以上30未満の人は糖尿病や睡眠時無呼吸症候群などを併発している場合にのみ処方の対象になるという。“ちょいメタボ”の人がスリムになりたいからといって気軽に服用するものではないらしい。
※週刊ポスト2012年3月16日号