近い将来発生するといわれているのが、首都直下型地震、東海地震、そして東南海地震だ。震度6強あるいは震度7クラスの規模だといわれている、それらの地震に対し、いったいどんな対処ができるんだろうか。たとえば、リビングにいた時に地震が発生したら…。
リビングには背の低い家具を設置している家庭が多く、家具が倒れかかってくる危険は他の部屋より少ない。しかし、テレビやオーディオなどの家電製品は別の危険があるという。防災アドバイザーの高荷智也さんはこう指摘する。
「建物が大きく揺れると、家電製品は“倒れる”のではなく“空中を飛ぶ”可能性が高い」
耐震は物理的な備えだけでなく、心構えも重要となる。高荷さんは次のようにいう。
「震度7クラスの大地震では、いくら耐震グッズで備えても家具が倒れることもあります。しかし、備えがない場合に比べ、倒れるまでに数秒~数十秒の余裕ができる。その間に逃げ出せるのが最大のメリットです。地震が起きたらとにかく命を守ることだけを想定しておきましょう」
地震が起きたら、トイレやお風呂に逃げ込むと安全──といういい伝えを聞いたことがある人も多いのでは。実際にはどうなのだろうか? 住宅診断大手のさくら事務所ホームインスペクター(住宅診断士)・大久保新さんはこう説明する。
「それは小さなスペースでも柱がしっかり四つ角にあるから、安全だといわれていたのでしょう。しかし、家屋が倒壊した場合は、屋内のどこにいても危険度は同じです」
※女性セブン2012年3月22日号