本誌が248人を対象とした調査によると、便秘になった経験を持つ人は全体の94.4%という結果が出た。だが、下剤に頼ってばかりいると、腸はかえって動かなくなるので要注意。“出やすい”体質づくりには、食べることから考えるのが大切だ。
そのなかでもキーとなるのが食物繊維だが、便秘解消に効果的な食物繊維には2つの種類がある。ひとつは便の形をつくる不溶性の食物繊維。これは腸で水を吸ってふくらむので、ぜんどう運動を促す。もうひとつは水溶性の食物繊維。便の水分を増やし、やわらかくする。
「不溶性2:水溶性1という量のバランスで摂るのが理想ですが、実際には難しい。食品には不溶性の食物繊維のほうが多く含まれ自然に摂れるので、水溶性の食物繊維を意識して摂ることが重要です」(順天堂大学の小林弘幸教授)
次に大切なのが、善玉菌を増やす食材。「善玉菌は、消化吸収を助けます。腸内環境をよくする発酵食品や、善玉菌の餌となる食品や悪玉菌を抑制する食品を摂ることで増やせます」(同前)
水溶性の食物繊維を含む食材としては以下のようなものがよく知られている。
[納豆](食物繊維を不溶性:水溶性=2:1という理想的なバランスで含む)
[大根おろし](水溶性食物繊維ペクチンや不溶性食物繊維リグニンなどをバランスよく含む)
[バナナ](水溶性食物繊維だけでなく、善玉菌の餌となるオリゴ糖も豊富)
[ごぼう](水溶性食物繊維イヌリンが多く含まれる)
[りんご](水溶性食物繊維ペクチンには、悪玉菌を減少させる効果も)
ほかにも、アボカド、モロヘイヤ、いんげん豆、オクラ、にんじん、里いも、なめこ、押し麦、切干大根、プルーン、海藻、そば、ココア、カレー粉などにも水溶性食物繊維が豊富に含まれる。
また、善玉菌を増やす食材は以下のようなものがある。
[漬物](ぬか漬けなど、発酵させて作る漬物には豊富)
[ヨーグルト](乳酸菌が悪玉菌を殺してくれる)
[干しぶどう](ぶどうの表面の酵母菌は、善玉菌が住みやすく腸内環境を整える)
[キムチ](乳酸菌が豊富で、手軽に摂れる発酵食品)
[甘酒](麹から作るタイプの甘酒が特におすすめ)
ほかにも悪玉菌を殺してくれる納豆菌や酢、善玉菌の餌となるオリゴ糖や乳糖もぜひ取り入れたい。チーズ、発酵バターなどの乳製品や、塩麹、味噌、マッコリなどの麹を使った発酵食品も、腸内環境を整えてくれる。
※女性セブン2012年3月22日号