医学的な見地からすると、中高年のSEXには心臓病や前立腺がんのリスク減少があるそうだが、とはいえ、加齢とともに体にさまざまな変化が起こるのは事実で、それは“男性自身”にも現われる。
東邦大学名誉教授の白井将文氏が日本性機能学会の学会誌に発表した調査結果によると、日本人男性の平常時のペニスの長さは、20代で8.68cm。それが60代では7.76cm、70代では7.61cmに縮んでしまう。
「白井教授は睾丸の容量についても調査していて、30~40代をピークに睾丸は徐々に小さくなり、70代になると全盛期の4分の3ほどに縮んでしまう。睾丸は精子をつくりだすほか、精力や性欲の源となる男性ホルモンを分泌します。SEXの回数が減れば、精子をつくるために必要な男性ホルモンの分泌量も減る。その結果、勃起力も低下し、性欲も減退してしまうんです」(浜松町第一クリニック院長・竹越昭彦氏)
男性がとりわけ「衰え」を自覚するのが、勃起力の低下だろう。めったに勃起しない、勃っても若い頃のように硬くならない、SEXで挿入しようとしても途中で萎えてしまう……。竹越氏によれば、こうした勃起力低下の原因は血管にあるという。
「年をとると体内のいたるところで動脈硬化が進み、血液の流れが悪くなる。当然、ペニスの海綿体にも血液が十分に流れなくなるので、勃ちも悪くなり、硬さも衰えていく」
逆説的になるが、こうした衰えをカバーするのが、SEXのために勃起すること。勃起することで血液の流れがよくなり、血管を若返らせることができるからだ。
※週刊ポスト2012年3月23日号