ライフ

「笑うと幸せになる」をオックスフォード大研究所所長が確認

 白澤卓二氏は1958年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。アンチエイジングの第一人者として著書やテレビ出演も多い白澤氏によれば、男勝りの女性は、男性と同レベルの男性ホルモンを合成しているという。以下、白澤氏の解説だ。

 * * *
 笑いが寿命に関係していることは、以前このコラムでも紹介したが、笑いに鎮痛効果や多幸感をもたらす効果があることはあまり知られていない。

 オックスフォード大学社会文化人類学研究所のロビン・ダンバー所長は、研究室で被験者に通常の自然番組のドキュメンタリービデオを見せた時と、『Mr.ビーン』や『フレンズ』などのコメディを15分見せた時の脳の変化を比較した。その結果、視聴者をリラックスさせる自然番組のドキュメンタリーでは、痛みに対する閾値(限界値)が変化していなかったのに対して、『フレンズ』などのコメディビデオを見た時には痛みに対する閾値が高くなっていることを発見した。

 ダンバー所長はコメディを見ることにより「笑い」が誘発され、笑いにより脳でエンドルフィンという神経ホルモンが放出されて痛みに対する閾値を上げていると考察した。

 エンドルフィンは脳の中で作られる麻薬性の化学物質で、分泌されると痛みに対して脳が麻痺することが知られている。エンドルフィンといえば鎮痛効果のみならず、ランナーズハイなどの幸福感を作る作用も知られていて、人の行動の動機付けを作っている物質でもある。

 興味深いことに、1人でコメディを見た群よりも、4人のグループでコメディを視聴した実験群のほうがたくさんのエンドルフィンが放出された。これまでの調査でも、1人でいる時よりも誰かと一緒にいる時のほうが30倍も多く笑う傾向が示されている。笑いの環境には、友達など周囲の環境も重要だといえるだろう。

※週刊ポスト2012年3月23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

自宅で亡くなった中山美穂さん
《『もう辞めたい』『私にはできない』中山美穂が泣いた日》14歳から39年見続けた“芸能界の父”が明かした素顔、「棺で眠る美穂はきれいでした」最期の別れ
NEWSポストセブン
第1子妊娠を報告した大谷翔平と真美子夫人(時事通信フォト)
《真美子さんの前に『お〜いお茶』が…》大谷翔平が公開したエコー写真の米国事情、夫婦がシーズン中に見せていた“異変”「超速帰宅」「違う飲み物を口にして」
NEWSポストセブン
六代目山口組の餅つきに密着した
《六代目山口組の恒例行事・餅つき》「来いって言ってんだろ!アホんだら!」山口組“八代目”候補が声を荒らげた…「緊迫の一瞬」 PCR検査必須の厳戒態勢
NEWSポストセブン
「世界で最も美しい顔100人」に選ばれた林ゆめ(Instagramより)
《高級住宅街でへそ出し》「世界で最も美しい顔100人」林ゆめ、“新恋人”とチラ見せデート「お散歩バッグはヴィトンの紙袋」
NEWSポストセブン
大谷翔平が真美子夫人の妊娠を報告(NBA Japan公式Xより)
大谷翔平が妊娠発表の真美子夫人 少しずつ丸みを帯びていったフェイスライン、夢の「親子共演」を果たす日もくるか
NEWSポストセブン
MCを務めるテレビ番組が次々と打ち切られている指原莉乃
指原莉乃、MC番組が続々打ち切りでも余裕な理由 副業は絶好調で所有する投資用マンションの価値も上昇、資産は20億円以上か
女性セブン
中居正広
《ご迷惑をおかけして…》中居正広が“女性トラブル”に言及、本人コメントがラジオ番組で発信されるであろう「もっともな理由」
NEWSポストセブン
群馬県草津町の黒岩信忠町長、町長からわいせつ被害を受けたという嘘の告訴をした元町議の新井祥子被告
《これから行きませんか?》虚偽の性被害告訴…元草津女性町議が借金トラブルで町民からも提訴されていた 返金求める被害者に見せた“色仕掛けの泣き落とし”
NEWSポストセブン
大谷(時事通信フォト)のシーズンを支え続けた真美子夫人(AFLO)
《大谷翔平との第一子妊娠発表》真美子さんが明かしていた「将来の夢はお母さん」球場でも笑顔で交流する「子供好き」な一面
NEWSポストセブン
佐々木希
《佐々木希と渡部建夫妻の金銭トラブル騒動》「私自身はまったく和解する気がない」告発したジュエリー職人が今も憤る理由
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」で批判殺到のイギリス人女性(25)を模倣する女性配信者が…ファストフード店員を対象とした企画が「本当に気持ち悪い」と炎上
NEWSポストセブン
拡散されている寿司店でのワンシーン(Xより)
《大炎上その後》港区女子とトラブルになった高級寿司店の大将が語った“本音”「離れたお客さんもいる。謝罪は受け入れたけど、“和解”と一方的に発信されて…」
NEWSポストセブン