「君が代不起立問題」で揺れる大阪市では、3月21日に市立小学校の卒業式のピークを迎える。この水曜日が「決戦の日」として位置づけられつつある。
すでに君が代起立条例に反対する教職員組合のメンバーや市民グループは、デモ行進や集会を開いて気勢をあげる。
「教育を政治に牛耳られてはたまらない。抵抗する教員には上からの圧力がかかり、精神的に参ってしまう人もいる。主張すべきことはしっかり主張しなくては」(市立小学校教諭)
ある市教職員組合の小学校教諭は、『不起立宣言』なる声明を作成し、今後の「闘争」をこう呼びかけている。
〈橋下・維新の会のファッショ的独裁を許すことは民族差別・排外主義と新たな侵略戦争を許すことになると考えています。君が代解雇条例を阻止するために、今こそ学校現場での不起立の闘いが重要です〉
ただ、こうした言葉を聞くと、橋下VS教職員組合の攻防には、卒業式や入学式の主役たる「児童・生徒不在の闘争」という虚しさを感じざるを得ない。
※週刊ポスト2012年3月23日号