大学全入時代、中堅レベル以下の大学ならば専門学校に行ったほうが就職は有利というのが教育界の定説になりつつある。最近では、大学を中退したり、卒業した後に専門学校に入り直す学生も多いようだ。資格取得やIT関連への就職、公務員試験などに強い大手・学校法人立志舎グループの千葉一郎副理事長がいう。
「一番多いのは、大学を出たけれども就職できず、専門学校で学び直したいというケース。もともと大学は、学校教育法で研究機関であると規定されている。一方、専門学校は職業教育機関。今は情報処理などいろいろな専門分野がある中で、知識がないと社会の中で実際に動けない。職業教育が非常に重要になっているということです」
立志舎の2010年度就職内定率は実に98.04%。うち上場企業が37.79%を占める。
資格取得に関しては、2011年度の公認会計士試験に現役だけで31人合格。最年少は2年生の19歳だった。
司法試験関連では、グループ系列の東京法律専門学校が、1994年に初めて在学生の旧司法試験合格者を出し、その後、着実に合格実績を伸ばしてきた。現在では、大学を経ずに同校から法科大学院に合格する学生が増えている。
「なかには大学を中退して本校に入学し、法科大学院から弁護士を目指す学生もいます。国立大学や有名大学から来て学び直し、就職を勝ちとるケースもあり、大阪大、中央大の出身者もいました」(前出・千葉氏)
※週刊ポスト2012年3月30日号