「競技用の義足は最低3つは欲しいのですが、1つにつき120万円もかかり、揃えるのが難しい。資金難と闘う選手がたくさんいることを知ってほしかった」
本誌週刊ポストにそう語るのは、ロンドン・パラリンピックへの出場、メダルの獲得に挑む女子陸上短距離の中西麻耶さん(26)。鍛え上げられた肉体を披露し、セミヌードカレンダーとして自費制作した。活動資金を捻出するためだ。
高校時代の中西さんはソフトテニスで全国大会に出場するほどの選手だったが、21歳のときに仕事先で荷崩れした鉄骨に足を挟まれ、膝から下を切断。しかし、アスリートとしての夢を捨てなかった。2007年からはテニスと並行して陸上を始める。2008年の北京大会では100mで6位。200mでも4位の成績を残す。
「着飾っているもの全てを失っても突き進むプロアスリートとしての強さを表現したかった」と語る彼女は、拠点を米サンディエゴに移し練習を重ねる。鍛え上げられた肉体美には、並々ならぬ矜持が宿っている。
※週刊ポスト2012年3月30日号