スーパーの棚に、福島県産と他県産の野菜が並んでいます。さて、あなたはどちらを選びますか?
福島第一原発事故から1年あまり。放射能汚染という“見えない”恐怖はいまもなお、人々を脅かしている。
女性セブンが東日本在住の20才以上の既婚女性100人に実施したアンケートによると、「東北や関東の食材を避けている」人は震災直後に47%。そして、現在も45%が被災地の食材を避けており、その数字はほとんど変わっていない。
被曝を避けようという生活習慣が定着化し、一人一人の行動が積み重なった結果、被災地はどうなっているのか。福島県商工労働部観光交流課の担当者がいう。
「県内9か所の観光地では、前年と比べ観光客が半減しています」
農産物への影響も大きい。
「福島県の特産品である桃はまったく売れず、例年の半値でした。安全基準をクリアしている農産品を販売しても消費者の不信感は根強く、応援キャンペーン中にわざわざ出店ブースまで来て、『ここで福島県産を売るな』とクレームをつけるかたもいます」(JA全農福島総務人事課)
3月初旬には、山梨県で福島県から避難してきた母子への人権侵害が発覚している。この母子が公園で遊んでいると、近隣住民から「放射能がうつるからここで遊ぶな」といわれたうえ、保育園には入園を拒否されたという。
風評と呼ぶにはあまりに哀しい現実がまだあるのだ。
※女性セブン2012年4月12日号