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肺がん陽子線治療 「痛くも熱くもなく楽だった」と患者驚く

陽子線治療施設(筑波大学陽子線医学利用研究センタ-)

 全がんの中で肺がんの死亡率は男性で1位。患者の高齢化もあり、放射線治療の選択が増えている。なかでも注目を集めているのが重粒子線や陽子線を使う先進医療だ。

 筑波大学は他に先駆けて1983年から本格的臨床研究を始め、2000年に総工費約70億円でこの治療施設を建設。肺がんや肝臓がんを中心に約3000例の実績を積み重ねてきた。筑波大学陽子線医学利用研究センターの櫻井英幸センター長は語る。

「X線と違い、陽子線は威力の弱い状態で体に入っていき、がん病巣で最大の威力となってぎゅっと止まる。病巣をくり抜くように治療でき、正常組織への副作用が少ないのが利点です」

 患者の中には年齢や進行度で手術ができない人が多く、最高齢は90代。東京から外来で通った77歳の男性からは「痛くも熱くもなく、ちゃんと効いたのか不安になるくらい楽だった」との感想が聞かれた。照射回数に関係なく技術料は284万4000円。化学療法との併用で局所的に進行した肺がんの治療にも取り組んでいる。

撮影■太田真三

※週刊ポスト2012年4月6日号

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