全国には、かつてそこに人が暮らし、働き、生きた跡を残す廃墟が数限りなく存在する。哀愁漂うその姿に何を見るのか。廃墟愛好家集団「八画文化会館」は、“廃墟の聖地”のひとつとして摩耶観光ホテル(兵庫県神戸市)を挙げる。
同ホテルは、1929年に建設されたアールデコ調の高級ホテル。富裕層の温泉リゾート地として隆盛を誇り、ホテル閉鎖後も学生向け施設として1994年まで使用された。
「八画文化会館」立ち上げ人で、廃墟愛好家の酒井竜次氏は、「“美しさ”では間違いなく日本一。朽ち果て方にも美が宿っていて、とにかく絵になります」と絶賛する。
写真■那部亜弓
※週刊ポスト2012年4月6日号