インターネット掲示板「2ちゃんねる」への捜査が、警視庁と読売新聞の二人三脚で進んでいる。
3月27日付読売では、〈「管理会社」実体なし〉という大見出しの記事を掲載。わざわざ記者がシンガポールまで飛び、ペーパーカンパニーであることを単独スクープして、捜査当局が描く「2ちゃんねる=悪」というストーリーを裏付けた。
警視庁捜査関係者がいう。
「捜査は、昨年10月に就任した片桐裕・警察庁長官の肝いり。就任後すぐに同じ生活安全畑出身の樋口建史・警視総監に指示し、警視庁生活安全部に約20人からなる『2ちゃんねる特捜班』を結成。11月以降、覚醒剤売買の書き込みを放置した麻薬特例法違反幇助容疑で関係先を捜索している」
この動きに対して、ITジャーナリストの井上トシユキ氏はこう危惧する。
「そもそも掲示板の管理人がすべての削除依頼に目を通すことなど不可能。そこで2ちゃんねるでは、複数の人が自警団的に削除をしてきた。犯罪が起きたのは残念だが、一部のユーザーの不届きな行為で、掲示板自体を潰そうとすれば言論統制、表現の自由の侵害といわれても仕方がない」
※週刊ポスト2012年4月13日号