黒と白の石を交互に打つという簡単なルールでありながら、囲碁というゲームは極めて奥が深い。その囲碁の世界で随一の実力を誇る女流プロ棋士で、「囲碁界のアイドル」ともいわれる吉原由香里さんが、碁を打つ際のマナーやルールを教えてくれた。
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【1】対局前後の挨拶ははっきりと
囲碁は“棋道”と呼ばれ、相手に敬意を払うのが礼儀です。日本の囲碁界では、最初の一手を打つ前に「お願いします」、終局時には「ありがとうございました」と一礼するのがマナーです。初対面の相手にはもちろんですが、仲のいい相手と打つ時も挨拶を忘れないように習慣づけてください。負けが悔しくて挨拶したくない時もあると思いますが(笑い)、そんな時こそ対局相手に敬意を払ってほしいものです。
【2】碁石の持ち方
人差し指と中指の間に挟み込むようにして打ちます。きちんと碁盤の交点の上に石を置きましょう。対局中に碁笥の石をかき混ぜたり、手に複数の石を持ってジャラジャラと音を立てたりするのは慎んでください。
【3】先手、後手の決め方
黒白を決める時は、一方が白石を盤上に握ったまま置き、もう一方が黒石を1個、もしくは2個置きます。1個は奇数、2個は偶数を意味します。奇数か偶数かが当たっていたら当てた人が先手(黒)、外れていたら白石を握っていた人が先手になります。この作法を「握り」といいます。
撮影■渡辺利博
※週刊ポスト2012年4月20日号