現在、毎月発売されるアダルトビデオの新作は2000~2500本。市場規模は4000億~5000億円といわれているが、市場規模は縮小傾向にある。15年ほど前には1本に1000万円の制作費がついたが、現在はその10分の1程度がせいぜいなのだという。
“斜陽”がさらに色濃く表われているのが、女優のギャラである。
かつては1本400万~500万円もギャラを取る売れっ子女優が数多くいたが、今は昔。単体女優で「最低1本100万円」という相場も大きく値崩れしている。1996~1999年にAV界に君臨し、「AVクイーン」と呼ばれた小室友里(36)はこう証言する。
「ギャラは最初が高くて、後はだんだんと下がって行くのが通常。私の場合は最初、1本当たり100万円。それが最終的には70万円まで下がりました。今の女優さんのギャラは最初から10万とか5万円もざらだと聞きますが、私だったらそのギャラでは出ない。嫌な思いもする仕事ですから、そういう失うものの対価としてギャラがあると思います。今の子はある意味、素人さんが趣味みたいな感覚で出ている面もあるのでは」
小室がいた時代から10年あまりが経ち、より一層AVは世間に認知されてはいる。その分、裸になることへの抵抗はなくなり、女性がAVに出るハードルとともにギャラも下がったというわけか。AVプロダクションの社員が説明する。
「HPなんかには単体女優で100万円、企画モデルで50万円と書いているけど、それはマックスの数字です。単体でもよほど売れないと2本目からはグッと下がって10万円程度。企画モノに至っては、5万円でも脱ぐという女の子はわんさかいるので、金額で折り合わなければ辞めてもらうし、代わりは幾らでもいると思っています」(AVプロダクション社員)
※週刊ポスト2012年4月20日号