「市民ランナーの星」と大いに話題になったマラソン選手・川内優輝。公務員ながらマラソンで日本人最高位を獲得するその走りから五輪代表入りが期待されたが、結果的に五輪代表にはならなかった。もし、出演していたらいかにしてロンドンで走るか――川内選手に取材依頼を出した。
すると、「僕は公務員ですから、学校を通してください」――直撃取材を丁重に断わる川内選手の姿に、“僕に聞く話じゃないでしょ”というニュアンスを感じて引き下がった本誌記者。ところが、ダメ元で勤務先の学校に「あなたなら、ロンドン五輪をどう走るか」という質問を送ったところ、意外にもご本人からファックスによる丁寧な返答があった。
●五輪での走り方
「世界陸上で5キロ地点を先頭で通過したのにその後失速した反省から、(五輪では)前半はスローペースでも前方に行きすぎず、集団の中ほどで余力を持って走ろうと思います。そして、集団のペースが上がってからは脱落した選手を拾いながらペースアップして順位を上げていきたい」
●勝負のポイント
「レース途中でペースを切り替えられる余力を持っているかどうかだと思います」
●五輪代表・藤原新選手の順位予想
「現実的な目標は(8位)入賞ではないかと思います。しかし、入賞ラインで我慢して、トップ(集団)の激しい揺さぶりに耐えきれずに戦意喪失した選手をうまく拾っていければ、その上の(順位に入る)可能性もゼロではないと思います」
※週刊ポスト2012年5月4・11日号