加齢臭を消すためのセッケンが様々売られている。安いものは200円から、2000円を越す商品も少なくない。ところが「値段によって、加齢臭を除去する効果効能は変わらない」と専門家は言う。自らの加齢臭と闘ってきた『加齢臭読本』の著者で、ネット文筆家の奈良巧氏が報告する。
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加齢臭をきちんと分解してくれる「柿渋入りセッケン」。これは価格がまちまち。安いものは200円から、2000円を越すものも珍しくはない。
ペリカン石鹸では、「アロマティックソープ柿渋」(市場価格700円前後)「柿渋ファミリー石鹸」(市場価格200円前後)という商品がある。この違いを品質保証部の高柳部長に聞いた。
「汚れを落とす能力と、柿渋の作用に関しては、機能に差はありません」。きっぱりと高柳部長は言う。「セッケン成分は皮膚表面の脂と結びつき、汚れを落とします。そして柿渋は皮膚表面の加齢臭物質を取り去り、さらに残り、新たな皮脂が酸化するのを抑制します。2商品の間にこういった部分での差はありません」
では、値段の違いはどこにあるのだろうか。
「それは、つかい心地です」。セッケンには、泡の立ちかたや、香りなど、加齢臭抑制とは違う側面がある。香水と同じで、質の高い香りを選び、より泡立ちを良くすることで材料のコストは高くなるわけだ。
「コストの高いセッケンには『過脂肪石鹸素地』というものが使われています。ほんの5%ほど植物性の油分を追加するだけなんですが。いい泡になりますよー。クリーミーで、ねばりがあるんです」(高柳部長)
このセッケンの作り方をペリカン石鹸では「スーパーファット製法」と呼んでいるのだが、上質なセッケンならではのリッチな泡の感触が味わえる。
筆者は実際に「アロマティックソープ柿渋」(市場価格700円前後)と「柿渋ファミリー石鹸」(市場価格200円前後)を使って泡立ちなどを比べてみた。大きな差がでるのは、ふつうのタオルなどで泡立てた時。
「柿渋ファミリー石鹸」はちっとも泡立たないで、泡の持ちも悪い。ところが、スーパーファット製法の「アロマティックソープ柿渋」は、泡立ちが良く、肌につけてもなかなか泡がへたらなかった。
ところが、泡立ちを良くするタオル(キクロン『アワスター』などの商品)を使うと、セッケンによる泡立ちの差は減少する。
600円程度の泡立ちタオルを上手に使うなら、セッケンの価格差はかなり埋めることができることがわかった。