4月28日、29日と2日間に渡って幕張メッセで開催され、9万2384人が来場、そしてネット(生放送)参加者は347万人を超えた“ニコニコ動画”の巨大イベント「ニコニコ超会議」。
各コンテンツの充実ぶりはもちろんのこと、記者(26)の印象に残ったのは来場者がただ見るだけではなく、食べたり、グッズを買うなど、しっかり消費している姿だった。
まずは、“食”。会場内には「超巨大フードコート」と名付けられた計3か所のフードコートスペースが用意されており、そのうち2か所では日本各地域別の名物やご当地グルメが売られている。そのメニューは、「なみえ太っちょ焼きそば」や「花畑牧場ホエー豚丼」、「牛タン弁当」などの食欲をそそるガッツリ系から、「メロンパンのラスク」や「果実氷アイス」といったスイーツ系まで、幅広い品ぞろえ。
これだけでもちょっとした物産イベントと勝負できる、かなり充実したフードコートとなっていた。さらに、今回はニコニコ動画をモチーフにしたメニューや動画内で話題になったことのある食べ物、通称『ニコニコフード』を集めた特別フードコートも用意されていた。
せっかくなので記者はこちらの特別フードコートで、「海老カツサンド~チリ&タルタルソースで~」(700円)と「ニコニコ動カレー」(500円)を購入して食べたが、どちらも美味ではありませんか~!! 特に海老カツサンドのほうは今まで食べたことのないような食感と味のコラボレーションにやみつきになり、ものの2分で完食してしまったほど。
これらは会場が混雑し始める前に食べたため、ほとんど並ばずに購入できたが、その後また小腹が空いてきた時に別のメニューを買おうとしたところ、特別フードコートには長蛇の列ができており、食べようと思っていた「あの!オムライス」や「ガチムチホットドック」は残念ながら購入できず。人気の高い『ニコニコフード』は、夕方には「完売」も出る大盛況だった。
売り切れということでは、この日最も売れていたであろう商品のひとつが、「necomimi」。これは、ニューロウェアが開発したネコミミの形をしたヘアバンドで、装着者の脳波を読み取って、立ったり垂れたりと動くという特徴がある。ニコニコ超会議においてはこれが、通常価格8980円のところを特別価格7900円で販売するとしてイベント前から話題になっていた。初日に完売し、翌日は急遽追加販売を用意したほどだという。
埼玉から来たという17歳の女子高生は「学校で自慢します」と話し、「2人で計5個買いました」という東京から来た30代のカップルにも遭遇。「今から2人とも付けて、他のものはお土産にします」と、すぐに装着していた。
実際この日に別の場所に行っていたライターが、夜の街中で何人もの「ネコミミ」をつけた人を目撃して、“あー。超会議に行ってきた人なのね”と思ったという。
手ぶらで帰ろうとしているような人は、ほとんど見受けられない――と感じた記者は、グッズの袋などを手にしている50人ほどに、「いくらくらい使ったのか?」聞いてみたところ、この日記者が出会った中での最高額の出費者は、神奈川県から来たという34歳の男性。
音声合成で歌声を作成する「ボーカロイドのCDを大量に買った」というこの男性は、11万円以上使ったとのこと。
「今までイベントで使ったことがある最高額は8万円くらいなんですけど、今日はそれを軽く越えちゃいましたね。なんせ新譜の量がハンパないんで。本当は本とかDVDとかも、たくさん欲しいんですけど、それも買ってたら破産しちゃうんで諦めました」とやや残念そう。この男性に最高額であることを伝えると、「いや、本当の猛者はもっと買ってると思いますよ。僕なんかはまだまだです」と謙遜していた。
その後、男性がいう“猛者”を探してみたが、結局見つけることはできなかった。しかしバッグやTシャツ、「リア充お守り」などの公式グッズから、ボーカロイドのCD、そしてフードまで、幅広い商品が売られていた会場内の様子を見ると、出会えなかっただけで“猛者”が確実にいたであろうことは想像できた。
そんなイベントの帰りの京葉線では、ニコニコ超会議の袋を持つ人たちと、東京ディズニーリゾート関連の買い物袋を持つ人たちが、同じ電車に揺られていた。訪れた場所のタイプは違えど、たっぷり遊んでお土産を持って帰る姿は、同じように満足げに見えたのだった。