みうらじゅん氏は、1958年京都生まれ。イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャン、ラジオDJなど幅広いジャンルで活躍。1997年「マイ ブーム」で流行語大賞受賞。仏教への造詣が深く、『見仏記』『マイ仏教』などの著書もある同氏が、葬儀料金について考察する。
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日本消費者協会が2010年に発表した「葬儀についてのアンケート調査」では、葬儀にかかる費用の平均が199.9万円。
ところが、この調査、現場ではすこぶる評判が悪い。なぜかっていうと、調査件数約200。高い葬儀800万円、もっとも安い葬儀20万円という数字の平均でしかないことや地域差を考慮せずに無理に平均化しているからあんまり参考にならないらしい。
実際のボリュームゾーンは150万~189万円なんだそう(お布施は別)。「やっぱり、高いよね?」と思う人も多いだろう。しかし、実はこの中には、見積もりに明記されることがない料金が含まれている。
棺桶を例にして考えてみれば一目瞭然だ。ネットなどには葬儀社の料金よりもずいぶんと安く棺桶を売っている業者がある。葬儀社のカタログとの価格差は3~5倍の開きがある。
葬儀社は、人が死んだらすぐに棺桶を手配できるように各種を在庫しておく。保管費用はバカにはならない。葬儀に必要な項目全てに、目に見えない費用がかかっているわけだ。
※週刊ポスト2012年5月18日号