中国のぜいたく品(高級品)購買力はいまや世界一といわれるが、その3割はアルナイ(二に、女ヘンに乃)と呼ばれる愛人(妻妾)が購入しているという試算結果を在米の中国評論家、伍凡氏が発表した。
世界ぜいたく品協会は今年2月1日、中国人が旧正月(春節)期間中、海外旅行で高級品を中心としたお土産を購入した金額は72億ドル(約5760億円)に達し、過去最高を更新し世界一のぜいたく品消費国になったと発表している。
それらの高級品はブランドものの高級時計やバッグなどの皮革製品、化粧品や香水などだ。これについて、伍氏は「全体の3割に当たる約21億ドル(1680億円)は中国共産党・政府の幹部が、自身が囲っているアルナイ(愛人)のために購入したものだ」と主張する。
伍氏によれば、中国の幹部にとって、アルナイを囲うことは自身のステータスのアップに通じており、「幹部は競ってアルナイを囲い、多い人は数人もアルナイを囲っている」と指摘する。中国内陸部・山西省では、ある高級幹部が一人で10人ものアルナイを囲っていた例もあるという。
また、頻繁に中国大陸に出張したり、事業を営む香港や台湾のビジネスマンが、大陸で羽を伸ばして中国人女性の愛人を作りっているというケースも少なくない。
最近は大学を卒業しても就職が難しいこともあって、大卒の女性が愛人になる例も増えており、中国大陸全体でアルナイ人口は1000万人を下らないと伍氏は指摘する。
伍氏は「中国人幹部や香港・台湾人ビジネスマンは一人のアルナイに毎月平均で5万元(約65万円)を費やしている。高級マンションや高級車、ブランドものの化粧品や洋服、あるいは高級レストランで食事をさせ、ときには海外旅行に連れて行かなければならない」と語る。
アルナイ一人の購買力は一般の中国人女性50人に相当するといわれており、北京や上海といった大都市ではアルナイ人口は全体の5%を占め、全体の消費額の20%にも達することから、伍氏は高級品市場の3割に及ぶと試算したという。