例年、プロ野球の交流戦で好成績を残したチームはリーグ優勝に大きく近づいている。それゆえに各チームは、普段対戦しない相手の研究に余念がないのだが、中には変わった動機から闘志を燃やす選手たちもいる。交流戦だからこそ実現する「因縁対決」の見どころを一つ紹介しよう。
日本に復帰した井川を待ち受けるのは、甲子園の洗礼だ。
「6年前にMLB挑戦を訴えた際、阪神ファンは井川を突き放し、甲子園に歓声はなかった。当時の思いを引きずるファンから、ブーイングやヤジが巻き起こる」(在阪スポーツ紙記者)
もっとも、「鈍感力」は球界一といわれる井川だけに、球団関係者は「気にならないはず」と楽観的だ。
「本人が燃えているのは、中日の主軸・平田との対決では。平田は中日スポーツで“TVゲームが得意”と公言している。TVゲームで全国大会常連の井川にすれば“お前ごときが大口を叩くな”というところでしょう」(同前)
5月9日の一軍復帰戦で負傷降板し、現在は2軍で再調整中の井川だが、このモチベーションを糧にして阪神戦、中日戦に間に合わせてほしいところだ。
※週刊ポスト2012年5月25日号