新学期が始まって1か月。新しい学校やクラスに慣れるかどうかドキドキしているのは子供だけじゃない。お母さんたちも“ママ友”との関係に、心を削っているのだ。それこそ大事なわが子の進路を左右する「お勉強」に関しては、どのママも目の色が変わる。中1の娘を持つ主婦・Y子さん(40才)はこんな話をする。
「子供に中学受験をさせることになり、どこの塾に入れたらいいかママ友のAさんに相談したんです。第一候補に考えていた有名塾の名前を出したら、“そこの先生は評判悪いからやめたほうがいいわよ”といわれ、他の塾に通わせることに。
そうしたら、受験直前になってAさんが子供をその有名塾に通わせていることがわかって…。結局、Aさんの子供は志望校に合格しましたが、うちの子は不合格。ひとりでもライバルを減らすために、騙されたと思うと悔しくて」
『モンスターマザー』(光文社)の著者で作家の石川結貴さんはこう説明する。
「基本的に受験は情報戦。人的ネットワークを利用し、“必要な情報を持っているママ”を選んでつきあうという利害の関係も生まれますね。必要がなくなったら簡単に関係を切ってしまう人も多いんです」
さらに、最近の「ママ友バトル」で驚かされたのが塾のお弁当戦争だという。
「小学校高学年の子を持つママから聞いた話ですが、いまは塾に持たせるお弁当戦争が過熱しているらしいんです。いまの子は携帯を持っているからお弁当の画像を撮り合ったりするそうですが、それを見たママが“負けられない”と、張り合ってしまうようです。
“私はこれだけ子供のために頑張っているのよ”という自己主張の変形版に過ぎないんですが、直接、いざこざはなくても確執があるんですね」(石川さん)
仕事が忙しくて、やむなくコンビニで購入したお総菜を子供に持たせたことがあるY子さんは、「母親失格」と陰口を叩かれたという。
小学校・中学へのお受験、その次は大学…というように、子供の進学や進路はもはやママたちのなかでイベント化しているという。その都度、ライバルとの熾烈な戦いが繰り返されるのだから、ママたちは息つく暇もないのだ。
※女性セブン2012年5月31日号