今、テレビをつければ四十路女の活躍が著しいように、目ざとい男たちの間では、四十路女が恋愛対象として“発見”されているという。
『婚活したらすごかった』(新潮新書)の著者でフリーライターの石神賢介氏は、婚活を通じて20代から40代後半までの女性とデートしたが、そのなかで40代女性の魅力を強く感じたと話す。
「40代の女性がベッドに入る前に洋服を脱ぐのをためらうとか、恥じらいを見せるところにすごく興奮しました。そして、いったんベッドに入ってしまうと奔放になるんです。
一緒に食事をしているときは、映画の話や本の話、人生で経験してきたことについて、知的な会話を楽しむことができる。そして、ベッドに入ると知性や経験のある彼女たちが恥じらい、さらに積極的にセックスを楽しむ。そのギャップがたまらなくいいんです」
恥じらいと、その奥に秘めた熱情。たしかに若い女性とは違った、味わい深い関係が結べそうだ。同じ40代の女性は、四十路女の魅力をどう見ているのか。コラムニストの北原みのり氏はこういう。
「40代の友人は女の私から見ても色気を感じます。プルプルした若い女性の肌と違って、しっとりと柔らかい質感をセクシーだと感じる男性も多いんじゃないでしょうか。お化粧にもファッションにも無理なく、ある程度お金をかけられ、いつも綺麗にしていられる。セックスに対しても積極的に楽しみたいと考えている人が多いんです」
こうした魅力が醸される理由は、彼女たちの生育歴と無縁ではない。『バブル女は「死ねばいい」』(光文社新書)の著者、杉浦由美子氏は次のように語る。
「40代女性はバブル時代にチヤホヤされて遊んでいたという印象が強いかもしれませんが、意外とそうではない。女性は結婚して家庭に入る、という観念がまだはっきりとあった時代ですから遊んでいるように見えても、貞淑で男性には尽くさなければ、という思いは強く持っていたんです」
表面的な派手さに内面の貞淑観念が陰影を与え、男を引きつけるということだろうか。
※週刊ポスト2012年6月1日号