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大阪の入れ墨職員「消せと言うがいくらかかるかわかるのか」

 大阪在住の彫師H氏を直撃すると、ボソっと呟いた。

「商売あがったりですわ」

 物議を醸す大阪職員の入れ墨問題――大阪市の調査では、110人の職員が「入れた」と回答したが、H氏はこれまで5人の職員に入れ墨を彫ってきたという。

「入れ墨を見せて脅していたなら言語道断でしょうが、個人の趣味として人に見せないよう気を使っている人間まで処分対象にするのはやり過ぎですよ」

 H氏が職員らに彫ったのはいずれも和彫りだ。龍などのデザインを背中や足首、腕などに入れているという。

「勘違いしないでほしいですが、仕事ぶりはまじめです。例えば清掃局のゴミ回収をやっている子は人数も削減されつつあるので重労働。仕事も終わったら泥だらけになる。職場には風呂もシャワーもあるんですが、『入れ墨を知らない他の人が驚くから』と絶対に風呂を使わない。入れ墨は、気合いが入っている子じゃないと彫れませんからね」

 入れ墨職員にも言い分がある。次に紹介するのはH氏の元に集まってきた声だ。

「自衛隊、警察官のように採用の可否に関して条文があるならわかる。しかし、大阪市にはそれがなかったから自分は就職した」

「橋下市長は自分が茶髪を黒く染めたことを引き合いに出して消せばいいという。でも、いくらかかるのかわかっているのか」

 H氏によれば入れ墨を消すには入れる時の10倍の費用がかかる。背中一面の場合、数百万は下らない。

 また、ある職員は、こう憤ったという。

「大阪改革のパフォーマンスの一環なら直ちにやめてほしい」

※週刊ポスト2012年6月8日号

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