5月22日の開業以来、連日、大賑わいの東京スカイツリー。開業初日は雨にたたられ自慢の眺望が台無しだった。
だが、スカイツリーには雨の他にも“強敵”が存在することが、その日明らかになった。風速15メートルを超す強風が続いたため、午後6時以降、安全最優先で天望デッキ(高さ350メートル)、天望回廊(高さ450メートル)に行くエレベーターを停止したのである。
たまたまそこに居合わせた、夫婦・家族問題コンサルタントの池内ひろ美さんが残念そうに語る。
「午後6時半に天望デッキに上がることになっていたんですが、時間になってもエレベーターが来ない。理由が全然知らされず、ツイッターで強風による運転停止を知りました。天望デッキに上がれたのは7時40分。天望回廊へのエレベーターは止まったままで、結局、諦めて降りてきました」
それでも池内さんはまだよかった。なかにはさらに悲惨な目にあった人もいた。
「案内係の人が“いずれ運転します”というから、ずっと天望デッキで待っていたのに、結局は中止。3時間くらいは待っていたと思う。チケットを交換するのに、さらに1時間以上も待たされた」(60代・女性)
エレベーターは今後も頻繁に停止するのか――。東京スカイツリーに話を聞くと、「今後もお客様の安全を最優先に運行を行なってまいりますが、どれぐらいの風速で止めるかは、その時の気象条件を考えて、ということになります」(東京スカイツリータウン開業広報事務局)とのこと。
それではと、東京タワーに話を聞くと、条件は同じではないものの大展望台までのエレベーターは年間20日程度、強風により運転停止するという。こちらは地上150メートルから250メートルまでのもの。スカイツリーで運転停止した日、東京タワーのエレベーターは停止していなかったというから、年間20日以上、止まる可能性もありそうだ。
※週刊ポスト2012年6月8日号